サヌカイトについて

瀬戸内海国立公園「五色台」周辺に産する霊石、通称「カンカン石」は、叩くと美しく澄み切った不思議な音色がします。
地球上でも稀なこの霊石に、ドイツの地質学者ヴァイシンシエンク博士は感動をもってこの讃岐の石に「サヌカイト」と学名を付しました。

サヌカイトは地質学関係書によると、1,350万年ほど前の新生紀第三瀬戸内火山活動によって噴出した特異な溶岩(非顕晶質古銅輝石安山岩)で、顕微鏡で観察すると極めて細粒緻密で、水晶と同等の硬度七と硬く、ガラス質や磁鉄鉱に富み、斜長輝石・ザクロ石・黒雲母・石英・カリ長石等の外来結晶を含む石と記載されています。
鉱物学的にはサヌカイトからマイナスイオンが放出されていることが数値的に証明されています。

サヌカイ陶琴

世界に誇る郷土の楽器「サヌカイ陶琴」
約1,400万年前、噴火した溶岩が急激に冷えて、硬度7という水晶と同等の岩石が出来ました。石器時代には矢ジリや石包丁として使用され、やがて、叩けば神秘的な音色を発することから、仏教楽器として使用されるようになりました。
約50年前の第18回東京オリンピック開会式の折に奏でられたサヌカイトの音色が、世界的に有名となりました。

しかし、特異な石であるため、楽器として使用できる原石は少なく、高価なのが実情です。
約40年前のこと、私ども喝破道場に立ち寄られたお遍路さんが「カンカン石を粉末にして粘土と混ぜた陶器」の作り方を教えてくれました。
後に、楽器として完成したのがこの「サヌカイ陶琴」です。 希少で高価な原石は入手困難ですが、サヌカイト粉末を使用して製作したものは小さくて軽量で音色も原石の楽器と比較しても遜色ありません。

私たちはこの楽器を「サヌカイ陶琴」と名付、世界に誇る郷土の楽器として親しんでほしく願っています。